フリーランスになったのが25の時。
たまたま仕事の関係で大阪芸大に通信教育課程があるということを知り、翌年26才で入学しました。
26才の時に事業形態を法人にしたので、26才というのは私の一つの転機の年になったなと思っています。

入学した理由は簡単にいうとコンプレックスです。
工学部を卒業して、なんとか印刷会社の制作部署に潜り込めたまでは良いけれど、回りは芸大か、教育大の美術専攻、美術系の高校、専門学校など、ちゃんとデザインを勉強してきた方ばかり。
なんといっても引き出しの数が全然違う。
先輩にこうした方が良いよ、ってことをいわれても、なぜか解らないこともあったし、解ったものでも「どうしてそういった発想がでてくるんだろう」と惨めになることもしばしば。

いろんなタイミングがあり、フリーランスになったものの、デザインに関してはいつも不安で不安で自信がなくて。
「どこでデザインの勉強をしたのですか?」って聞かれるのが、「自己流のこの程度でデザイナー名乗るなんて、ふざけるなよ。」に聞こえて、恐怖でしょうがなかった。


そういったわけで、通信制の存在を知ったとたん、入学を決めました。
費用もなんとか自分で払える値段だった。

はじめから1学年のカリキュラムを2年でクリアして、8年で卒業しようと思っていました。
ただ、ネックなのがスクーリングで、スクーリングは基本3日で1セットです。
1つの科目につき、前編後編の2セット、3日+3日の出席が必要。
夏と冬に1回ずつしかチャンスがありません。
夏は金土日、月火水 冬は火水木、金土日 などの場合、夏に前編、冬に後編といった組み合わせで、平日1日ずつ休むだけで通えたのだけど、そのどちらかが出られない場合、それだけで翌年に回ることになる……。友達の結婚式が冬のスクーリングに被って、その単位のためだけに留年したことも。
(3日のスクーリング中、土、日の二日間招待されたので、参加することに。)
逆に、うまいこと金土日、金土日の日程になって両方夏でクリアできたこともあったけど、毎週土日がスクーリングに当たり、2ヶ月くらい休みなしというハードなスケジュールになったこともありました。そんなこんなで在籍期限の10年をギリギリ使い切っての卒業です。


大学に入ったのは、勉強したかったからなので、どうしても無理そうなら卒業はできなくても良い、とは思ってました。
実際どのくらい役に立ったか?と聞かれると、10年大学に行ってたけど、10年仕事もやってたので、どこまでが大学に通ったことによる成長かは解らないよね、ってところはあるかもしれません。

だけど、やっぱりスクーリングで先生やクラスメイトからうける刺激は強烈で、細かい技術云々よりも、提案を導きだす思考方法であったり、ツッコミどころ、目線などで、大きな影響を受けたと思います。そりゃ引き出しの数変わるよね!と痛感しました。

1回生レタリング、デッサン、平面構成etc。基礎的な授業を受けられることがすごく嬉しかった。そして、自分はレタリングはめちゃくちゃへたくそで、デッサンもめちゃくちゃへたくそなんだと実感しました。下手だからこそ、学べることが楽しかった。壁にぶつかってもぶつかってもヒビも入らないような。あと、下手であるほど、成長が解りやすいよね!(笑)

2回生の中でイラストレーション。課題で喜怒哀楽を描くというものがありました。
喜と楽の違いって本当に難しい。それからはイラストを描くときに、感情の表現にすごく気を遣うようになりました。(LINEスタンプ用のイラスト制作にすごく活きています)あとはコラージュの授業で先生から受けた注意も刺さりました。

3回生の商品企画〜パッケージ制作。パッケージの作法であったり、商品企画の考え方。プレゼンでどのように魅せるか、このあたりはダイレクトに仕事に活きています。スクーリングを受けたことで、自信を持って提案できるようになったなと思います。
キャラクター制作は課題が多すぎて(1ページ3〜5点のイラスト30枚くらい)泣きそうでしたが、いろいろ描くのもまた楽しかったり。

4回生の広告デザイン。よくある「別案」を考えるときのアプローチだとか、媒体による作法を教わりました。利用する写真の考え方も。8、9年目に受けた授業だったのですが、この年になってまだまだ学ばなければならないことがこれほど沢山あるんだとショックも受けました。

卒業制作。残り半年のところで突如テーマを変更しました。時間不足で作りこめなかったのでちょっと悔いが残っています。制作のために、忙しい中さらにガラス教室に通いつめ、新しいチャレンジをできました。スクーリングがないときも、先生のところに何度か通って、結構頑張ったとは思います。

学年関係なく、必須だったアートプランニング、アートマネジメントの授業。
衝撃体験というか。自分の存在価値を一度ぶっつぶして、もう一度確認し直す作業だったと思います。
自分の存在価値って何やねん、というのを、この授業を受けてから常に考えるようになったと思います。

全てのスクーリングが終わった後に提出したレポート類。
マーケティングは教科書がとても面白くて、つい書きすぎたりもしました。
日本美術史、西洋美術史、デザイン史。西洋美術史は単位をとれなかったのだけど、勉強して良かったです。歴史って得意じゃないのですが、こういった興味のある方向からアプローチすると面白いんだなとしみじみ感じました。あとキリスト教と美術の関係とか。
造形原理。哲学みたいで、面白かったです。リンゴの尊厳について考えたり、モノクロ時代の古い映画を沢山見ました。
その他諸々。

通信制だから、レポート課題は本を読んでレポート書く、というものなので、大学でなくても勉強できるでしょ?と言われたらその通り、なんだけど。
それだと、自分が興味のある、好きな物ばかりになっちゃうでしょ?
自分が別段興味がないものであっても、半強制的に学ぶ機会によって学ぶ。学んでみると、自分の興味ある分野との関連があったり、新しい視点を得られたりする。
学校でカリキュラムに沿って学ぶことの意義って、そこじゃないかなぁと思います。

必要なときに上辺をかじることはあっても、大学に入学しなかったら勉強しなかっただろうな、という科目は沢山あります。

さて、休み休みも10年頑張った!
次の10年も頑張ります!

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カテゴリ:ひとりごと